私は歯科のレセプトコンピューターの営業マンをやっているため、導入側ではく、販売側からの視点で歯科レセコンの比較をしたいと思います。
あくまでも歯科レセコンメーカーの社員である経験に基づいた客観的な個人の感想なので、参考になればと思います。
導入される医院様側の視点とは違った視点で参考になると思います。
まずは自社製品からですが、こちらのページを見ていただける方はおそらくお会いしたことがある方だと思いますので、自社名は伏せます。
調べればどの会社かすぐに分かるとは思いますが(笑)
自社商品の場合はイニシャルコストがオプションがなければ約20万円で、月額が23,000円です。
クラウド型で、リプレイスや買い替えがないため1度購入すると、それ以上月額以外費用が掛からず他社メーカーかのデーター移行ができるのが強味です。
客観的に見ても、コストに対してはバランスの良いレセコンに思えます。
IT補助金用の商品もあるので、導入後切り替えも可能ですし。
歯科医師会の推奨もあり、シェアも8%くらいあるのではないでしょうか。
シェアが低すぎると、撤退リスクがあるため、強制的に買い替えになってしまいますが、1000医院様以上とお付き合いのあるレセコンメーカーなら大丈夫なのではないかと思います。
最近ですとNTTデータさんが撤退したレセックさんが記憶に新しいです。
日本歯科医師会の推奨レセコンでしたが。
クラウド型の強さは故障に強いのと、ネットさえ整っていれば場所を問わない事です。
オンライン資格認証(マイナンバーカードによる顔認証)の義務化もあるように、国の流れがクラウド化に進んでおりますので、クローズド型よりクラウド化が進んでいくと言う予測もできます。
クローズド型のレセコンですと、親機が故障した場合メーカーに連絡し、代替え機を作って、持ってきてもらい、設置設定するまでレセコンを使う事ができませんが、クラウド型の場合は代わりのパソコンやタブレットがあればアプリをインストールし、IDとパスワードを入れればすぐに使えるようになります。
親機という概念がないので、ネット環境が損なわれない限りは1台駄目でも他の端末は使用できます。
万が一ですが、良いか悪いかは何とも言えませんが、先生方が入院してしまったり、旅行などの出先でも衛生士さん等のスタッフがいれば出先からもレセコンの入力ができると言う強みがあります。
指導の対策も医院様に籠っていなくても自宅から使えると言うのは強いです。
レセ出しに手間をかけられない先生方はレセ書き屋さんに依頼する事もあると思うのですが、高齢化でレセ書き屋さんも引退等で減ってきており、訪問する時間も取れないため、レセ書き屋さんが事務所で対応できるクラウド型じゃないと受けないと言われることも増えてきてます。
後はバージョンアップCDや点数改定などダウンロードしたり、インストールしたりしないで済むのもクラウドの強さです。
当然インターネットに繋がっているのでリモートによるサポートもできるのもクラウド型の良さかと思います。
基本的にクラウドサーバーも複数台でデーターをミラーリングしているので1台のサーバーが壊れてもデータの保全はされますし、院内型ですと2019年の台風19号のような冠水で医院様自体が水没してしまうと、バックアップも水没してしまっているため、診療データが月の途中で損なわれレセプト請求ができないとか患者様のデーターも復旧しようがないといった事も起こり得ます。
関東でも地震や火災や、薄いかもしれませんが富士山の噴火と言った自然災害のリスクヘッジにはなります。
ただ、1番はコストとクオリティのバランスかと思います。
私も下記の方でリンクをはってありますように飲食店経営をしておりますので、カラオケを導入しておりますが、過去のカラオケの販売方法がレセコンと同じだなと思わされたことがあります。
良いカラオケを購入してもリースが切れると保守が終了と言われて、また何百万円かのリースを組まされる。
母がやっていた時にようやくローンから解放されると喜んでいたのに、買い替えをカラオケ屋さんから言われて憤慨していたのを思い出します。
安すぎてクオリティに問題を抱えるレセコンを選択しても、手間と労力を考慮するとその時間の先生方の時給と比較して本当に割に合うかという疑問も出てきてしまいます。
レセプトを出すと言う本来の機能はどのレセコンも同じなので、価格とのバランスが重要かと思います。
もし、私が担当している歯科レセコンに興味をもたれたら、サイドバーにあるお問合せフォームよりご連絡お願いします(笑)
では他社の比較をしていきたいと思います。
NHOSA(ノーザ)さん
一時期シェアトップだった歯科レセコンの老舗です。
キーボード操作だけで入力ができてマウスを使わない事をお好きな先生も多いと思います。
デザインは自社と同じでちょっと古いデザインですが、機能だけで言えば問題がないと思います。
サポートもしっかりしており、今は分かりませんが、かつては指導対策もつきっきりでいてくれると言われておりました。
ただ、問題点は価格で、カラオケで母が憤っていたように6年から7年で保守終了で買い替えを求めてきます。
その価格が大体300万円位です。
20年使用すると2回は買い替えを迫られているはずなので1000万近くのコストがかかっております。
そのため、引退を考えている先生方々から何年も続けるわけじゃないのにこの価格は払えないと自社に問い合わせが来ることが結構あります。
子会社が解散したり、ちょっと往年の勢いはなくなっているイメージです。
OPtech(オプテック)さん
NOHSA(ノーザ)さんから独立した方々が立ち上げたレセコンメーカーです。
デザインも新しく、使い勝手も客観的に見てかなり良いレセコンです。
クラウド対応はしておらず院内型になります。
ライバル会社ですが、機能だけを見れば一番良いのではないかと思えます。
ただ、良いところだけだととっくにシェアNO1になっているため、やはり買い替えがあるのと最近内部分裂が起きたようでスタートアップメンバーが違うレセコンメーカーを立ち上げたりしています。
そのため、最近は人の数が足りておらず商談先の先生にレスポンスに難があると言われることがあります。
価格も200万円くらいしますし、かつては買い替えがありました。
今は買い替えはなく、レンタルになるそうですが、レンタル費用が月額3万円を超えていると聞いていますので、コスト的にはちょっと割高なイメージです。
ですが、万が一自社以外のレセコンメーカーを勧めるとしたら、私はこちらをお勧めします。
価格と機能のバランス的には身内びいきもあるかもしれませんが、自社に軍配が上がるかと思いますが、良いレセコンだなと思います。
メディアさん
こちらも初期導入価格は200万円~300万円のレセコンになります。
クラウド型も非クラウド型もあります。
クラウド型の場合は不明ですが、クローズド型のレセコンには保守終了の買い替えがあります。
ちゃんとしたレセコンとしてのエラーチェックが厳しいため、返戻や指導対象にはなりづらいレセコンかと思います。
一方、縛りが厳しいため融通が利かず、大丈夫な処置なのに強制的に入力ができないといった事も聞くことがあります。
ただ、一番のネックは価格が他のメーカーに比べて高額だと言うところです。
ビジュアルマックス等のソフトを入れると月額料金が10万円を超えることもあるようで、良いレセコンなのでしょうが、コストが他と比較して高額という点では個人的にはお勧めし辛いです。
モリタさん
ご開業時にレントゲンと同時に導入されることが多いメーカーさんです。
ただ、レセコンのメーカーというよりはレントゲンメーカーさんというイメージが強いです。
価格も200万円~300万円で、やはり餅は餅屋じゃないですが、内容的にはレセコン専門メーカーの方が機能は充実しているように感じます。
買い替えがあり、こちらも他メーカーよりコストが高額だなと感じます。
私がパチンコメーカーにいた際にライバル企業でしたMARS(マースエンジニアリング)というサンドメーカーと方針が似ていると感じるメーカーさんです。
狭く深くというイメージで、リースを組んでいる年数を物によってずらしたり、他社メーカーに移行し辛い障壁を作って、囲い込むと言う戦略に見受けられます。
レントゲンやCTの評判は良いですが、レセコン単体で見ると専門メーカーの方が良いイメージです。
ヨシダさん
こちらもモリタさん同様にご開業時に導入される事の多いメーカーさんです。
価格は150万円~200万円くらいのようです。
こちらも買い替えがあるため、リースアップのタイミングになると比較的お問い合わせが多いです。
モリタさん同様にユニットやレントゲンメーカーのイメージが強く、レセコンは評判は悪くないですが、やはり力を入れているのがレントゲンの方だと思われます。
レセコンの専門メーカーの方が機能は充実しがちです。
ミックさん
現在シェアNO1のレセコンだと思われます。
使用している力のある先生も多く、結果開業時に導入されることが多いです。
以前は買い替えがありましたが、今は買い替えがありません。
オプションをつけなければ、かなり安価に抑えることができますが、オプションの内容が細かいため、これもオプションで有償になるのかと聞くことが多いです。
ある程度普通の機能を使う医院様になると月額が私の取り扱うレセコンより割高になる事も多いです。
ですが、買い替えがなくなったため、ミックユーザーさんからのレセコン入れ替えのお問い合わせはあまりありません。
同様に私が扱うレセコンからも他社への移行解約はほとんどないのですが、使用感もあまり変わらないようなので、ミックさんも良いレセコンだと思われます。
月額のコストを比較して、高額でなければ選ばれやすいレセコンなのではないでしょうか。
ジュレアさん
私の取り扱うレセコンよりもイニシャルもランニングコストも安価なレセコンです。
ピクオス社が運営しているため、予約ソフトのデンタマップが無料で使用できる事が強みのようです。
初期費用0円で月額18000円だったかと思います。
クラウド型の中では最安値です。
ただ、他社からのデーター移行ができないのと、患者様受付時に自動更新がないため、更新ボタンを毎回押さなければならない事やカルテ印刷時にその日の印刷を忘れると印字が飛ばされてしまうような難点もあるようです。
コメントなどの部分もコンパクトになっているため、買い替えがない割には入れ替えのお問合せをいただくことがあります。
ただ、こちらもクラウド型で他社への診療データーの提供がないため、ジュレアより他社レセコンへの移行時には電レセコンバートになってしまい、綺麗に診療データーは移行できません。
保険をよく分かっている先生や、自費などがメインで保険診療が少ない先生にはコストを考えると良いレセコンかと思います。
ただコスト重視である分、訪問対応のサポートがないため、問題解決は医院様で対応する必要があります。
アイカルテ
レントゲン写真、口腔内写真、歯周検査データを一元化する画像管理ソフト「デンタルテン」のメーカーさんが作るレセコンです。
デンタルテンの評判がかなり良く、デンタルテンを導入しているとレセコンアイカルテが無料で使えます。
そこのレセコン無料が魅力で新規開業時にデンタルテンを使用していると、こちらのレセコンが選択されやすくなります。
ただ、比較的入れ替えのお問い合わせが来ることが多いレセコンでもあります。
理由はコメントとエラーチェックの甘さで、返戻が多いと言うところです。
ただ、無料というのは強い魅力だと思いますので、注意をしていれば競争力のあるレセコンだと思います。
さて、関東で営業していると大体競合するのが上記のレセコンメーカーさんです。
アキラックスさんやITSSさん、岡山OECさんや東和ハイテックさんやお茶コン、GCさんのレセフィス、アイデンス、リードもたまに見かけますが、頻度は少ないです。
飲食店の経営者の視点で言えばコストは低ければ低い方が、経営的には安定しますので、個人的には買い替え無しを選択した方が良いと思います。
また、新しい歯科レセコン情報があれば随時更新していきたいと思います。
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